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エンパワーメント・カウンセリング&コーチングの基本的な考え方

カウンセリングは一般的には「心の問題にかかわる相談」といわれています。またコーチングは「個人が持つ潜在能力や可能性を最大限に引き出すための手法」であるといわれています。しかし、カウンセリングについても「言語的及び非言語的コミュニケーションを通して、健常者の行動変容を試みる人間関係である」他いくつかの定義があるように、コーチングにも多くの定義があります。
コーチングについていくつかの定義を紹介しますと、エクセレントカンパニーの著者であるトム・ピーターズは「フェイス・トゥ・フェイスで発揮されるリーダーシップであり、多様な経歴・才能・経験・関心を持った人をまとめ上げ、さらに大きな責任を果たし継続的な業績をあげるように部下を勇気づけ、そして部下を全面的なパートナーであり職務に欠かすことのできない存在として大切に扱うこと」といっています。またハーバード大学の教育専門家兼テニス専門家であるティモシー・ギャルウエイは「コーチングとは、ある人間が最大限の成績を上げる潜在能力を解放することである。それはその人に教えるのではなく、その人が自ら学ぶのを助けることである」としています。

1.カウンセリングとコーチングの違い
カウンセリングやコーチングの定義が異なっているようにカウンセリングとコーチングの違いにもいろいろな考え方があります。
カウンセリングとコーチングの違い

しかし筆者は今日まで多くの来談者に対してカウンセリングやコーチングを行ったり、カウンセラーやコーチ志向の人たちへの講習を行ってきました。しかしカウンセリングやコーチングだけでは上記の表でも示されるようにそれぞれ限界があり実際にはその両方が必要な場合が数多くあります。あえてエンパワーメント・カウンセリングでもなく、またエンパワーメント・コーチングでもなくエンパワーメント・カウンセリング&コーチングにしたのは来談者にとってはその両方が必要だと実感しているからです。ただ来談者はそのときどきによってカウンセリングを望んだりコーチングを望んだりするのはいうまでもありません。

2.エンパワーメント・カウンセリング&コーチンの基本的な考え方
エンパワーメント・カウンセリングでは来談者の感情やパーソナリティーを扱いパーソナリティーの成長論として「自己理解」「自己意識」「自己解放」「自己受容」「自己統合」のプロセスに沿って支援しています。(詳細は同会報の前号参照)
それに対してエンパワーメント・コーチングでは来談者の行動を扱い次のプロセスに沿って支援しています。
このプロセスの背景にある考え方はロベルト・アサジオリーの意志のはたらきです。
ロベルト・アサジオリーは「意志のはたらき」(誠信書房)の中で、人間の意志のはたらきには次の6つの局面、もしくは段階により構成されていると記述しています。

1.評価、動機づけ、意図にもとづいた目的、ねらい、目標、2.熟慮、3.選択と決定
4.確言、命令、あるいは意志の言語的表明、5.ひとつのプログラムの計画と具体的立案、6. 実施の指揮

そして、「この6段階は鎖の環のようにつながっており、意志のはたらきは鎖の環の一番弱い部分の強さと同じである。多くの場面ではこの6つのどれか一つの段階が中心的課題となり最大限の時間と努力が傾注されている」と指摘しています。
エンパワーメント・コーチングではアサジオリーの第1段階である評価とその他の内容を2つにわけ、7つの段階(1、意図の発生 2、熟慮 3、選択と決定 4、確言 5、計画 6、実行 7、評価)にしたプロセスで支援しています。

第1段階  意図の発生
まず何か問題を解決したい、課題を達成したい、何かを実現したいという着眼・意図、ひらめきが発生します。
問題意識を持つ段階です意図の実現を想像したりイメージしたりします。意図は、あなたの動機(欲求)や価値に基づき発生します。
この段階で重要なのは、あなたの動機や価値の洞察、チームとしての目的や使命を理解することです。

第2段階  熟慮する
着眼・意図を実現するためのさまざまな方法、その実現可能性、欲求の度合い、実現後の結果などについて、あれこれと頭の中で思い巡らす段階です。
衝動的に、すぐに発言したり行動することを控え、熟考することが大切です。
この段階では、多面的、戦略的に熟慮することが重要です。
そのためには、意図を多面的多角的に検討します。

第3段階  選択し決定する
この段階は「決める」ことが必要になってきます。やるかやらないかも含めいくつかの選択肢から選ぶことが多いようです。
決定するとは、いくつかの可能性の中から一つを選ぶという行為です。
選択・課題設定の優先順位にしたがってベストなものを一つ選択します。自分で仮説や課題を設定できること、成功するかどうか手強い位のレベルが一番大きな動機づけになります。

第4段階 確言する
そして、自分自身に「やるぞ!」といいきかせたり、実行する旨を公言したり、関係者に口頭や文書等でもって指示したりします。決意してはじめて実行に移すことが可能になります。優柔不断さ、決めることの葛藤への対応が重要になってきます。
特に実行が容易な場合は選択決定したことを簡単に実行に移すことができるのですがはじめての実行やリスクが考えられる場合は確言が重要になってきます。この段階は行動を行うためのプロセスの要になります。

第5段階  計画(シナリオを作る)
この段階は決定した方法を具体的にシナリオ化していく段階です。シナリオ化にあたっては、変動要素に対して複数のシナリオを考えておくことが大切です。
決意したことを実現するために時間がかかる場合や実現のプロセスが複雑な場合は計画表を作成するという作業を行います。 

第6段階  実行(シナリオ実行)
この段階はシナリオを実行していく段階です。意志の力を押しつけるのではなく、シナリオを効果的に実行するための指揮という意味です。具体的な行動、いつから行動するかを決めます。
自ら、スタートをきり、障害や問題を解決しながらシナリオ計画を実行していきます。
実行過程でシナリオをみなおす場合もあります。 仮説がトライ・検証される段階です。

第7段階  評価する
この段階は実行したことの振り返りです。
選択した課題や目標が意図の発生の段階での、目的や価値に照らし合わせて最適なものであったかどうかの評価を行ないます。
そして計画・実行段階における反省も行ないます。何が成功に繋がったのか何か不成功であったのかのポイントをも見極めることも大切です。
そして、実行の経験をベースに次の着眼や意図の発生、課題や目標の設定につなげます。


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