エンパワーメント・カウンセリング&コーチングのツール
今回はエンパワーメント・カウンセリング&コーチングのツール(教材)として使用しているSP(サブ・パーソナリティー)トランプ並びにコミュニケーションのこころがまえやスキルをまとめたED(エンパワーメント・ダイアログ)かるた、将来のビジョンを構築していくためのビジョン・ヒントカード、問題を発見・解決していくための問題発見・解決双六(すごろく)について説明します。
1.SP(サブ・パーソナリティー)トランプ
SP(サブ・パーソナリティー)トランプには52人のサブ・パーソナリティー(以下「SP」とする)が描いてあります。人間は十人十色、それぞれ個性がありますが、一人の人間の性格や特徴を個性として簡単に言い表すことは結構難しいものです。なぜなら、たとえばあの人は明るい人だと言われている人も家に帰れば暗く落ち込むこともあるし、温かい人が変にクールになる瞬間があります。あるいは、好きなことには勤勉だけれど嫌いなことは怠けるといったこともよくあることです。1人の人の特徴を一言で決めることはできないのかもしれません。
SPとは人間のもつさまざまな面を1つ1つ採り上げ準人格化して独立させたものですSPトランプでは多くの人に見られる代表的なSPにニックネームをつけて描いてあります。「自己理解」「他者理解」「他者対応」「自己成長」のためのツールとして使用しています。

代表的な使用方法
1)自分にピッタリくるものを10枚選ぶ
(52枚のカードで自分自身のパーソナリティーを表現できない場合はジョーカーに記述)
2)選んだら机の上に配置する
カウンセリングの場面で使用する場合は10枚に限定することなく来談者が選んだだけのSPトランプと配置の仕方について説明、表現してもらう
(グループワークの場合)他者からのフィードバック
1)順番に選んだSPトランプの内容と配置の仕方について発表を行なう
2)他のメンバーは発表者が選んでいないSPトランプ(発表者の残りのカードから)を選ぶ。ジョーカーを選んでもよい。その場合は名前(ニックネーム)をつける
3)発表者はフィードバックされたSPトランプを加え、再度空間配置する
4)フィードバックされたカードが受け入れにくい場合は裏返してもよい
2.ED(エンパワーメント・ダイアログ)かるた
セルフ・エンパワーメントの土台である主体性を高めるための教材として開発したのがSPトランプなら、EDかるたはお互いがエンパワーメントしていくためのダイアログ(対話)のスキルの体得を目的に開発したものです。そして対話に必要なコミュニケーションの基本的なスキル(技法)や心構えを集大成し、かるた仕様にしました。
EDかるたはまずコミュニケーションを「心構え(マインド)」と「スキル(技法)」の2つにわけ、さらにスキルについては1.話すスキル、2.聴くスキル、3.質問スキル、4.対立・葛藤が生じたときの解決スキル、5.大勢の人の前で離すスキルに分類しています。
このEDかるたができたことによって各自のコミュニケーション・スキルの課題を明確にし、個々のニーズにあったスキルアップの考え方と方法を可能にしました。現在、このEDかるたはコミュニケーションやダイアログ(対話)スキルの習得、カウンセリングの支援技法として使用しています。

代表的な使用方法
1)各自、意識して使っている心構えやスキルを3枚選ぶ
(グループワークのときは選んだEDかるたとその理由の発表を行なう)
2)自分のまわりでコミュニケーションが上手と思われる人を思い起こし(複数でも可)。その人が使っている心構えやスキルを3枚選ぶ
(グループワークのときは相互に発表を行なう)
3)自分が身につけたい心構えやスキルを3枚選ぶ
(グループワークのときは相互に発表を行なう)
4)その心構えやスキルをどのような場面で使用するか説明する
(グループワークのときは相互に発表を行なう)
3.ビジョン・ヒントカード
ビジョン・ヒントカードはセルフ・エンパワーメントしていくためのビジョンを明確化していくためのツールです。私たちは将来のことについて断片的に「○○になりたい」「○○を持ちたい」「○○になりたい」「○○をしたい」と考えます。将来のビジョンを明確にするため、将来大切にしたいものを約120のビジョン・ヒントカードの中から20枚選び白紙の紙に配置し、将来の構想を整理していきます。企業や組織によってはその業界の要素を標準のヒントカードに付加してその中から選んでもらっています。
代表的な使用方法
1)ビジョン・ヒントカード(120枚)の中で将来大切にしたいものを取り出す
表現がぴったりこないものは白紙のカードに記述
2)20枚くらいに絞り込む
3)20枚のカードを空間配置する
同じようなカード群には囲みをいれたり、関係を線で表現する
4)用紙に貼り付ける
5)配置されたカードを見ながらビジョンを文章で整理する
6)次に将来のビジョンを実現するための具体的な目標と方策を書き出す
4.問題発見・解決すごろく(双六)
人生は、問題解決の連続だと言っても過言ではありません。トラブルの発生、人からの苦情、ディスコミュニケーション等々。その問題に対し、前向きに対応していくか、受身で処理していくかによって成果に人生は違ったものになります。
また激しく変化する環境下では新しい問題が次から次へと多発しています。その問題を的確に処理すると同時に、常に問題を自らの力で発見、形成し解決していかなければ個人としての成長は望めません。
問題解決にあたっては経験やカンはもちろん必要ですが、これからは問題の多様化、複雑化に対応した本質的アプローチがますます要求されてきます。また問題が複雑になればなるほど本質的問題解決の手法を身につけることも大変重要になってきます
問題発見・解決のステップはもぐら叩きのように後手後手と問題を解決するのではなく、このままいけば将来起こりえる問題を先取りし解決していくものです。未然に問題を防いでいきます。 問題発見・解決すごろくは下記の問題発見・解決のステップをすごろく仕立てにしたものです。
問題発見・解決のステップ
1.潜在的問題-現実把握
2.今後の予測(危機意識)
3.問題の把握
4.問題点の絞込み
5.変革目標の設定
6.真因の追求
7.解決策の決定
8.実行
9.評価
10.フォローの計画立案
代表的な使用方法
1)個人並びに来談者の現在気になる問題(潜在的問題)を問題発見・解決すごろくを使いながら解決策の決定(問題発見・解決のステップ1~7)まで整理する。
2)決定した解決策を実行する
3)実行を評価しフォローの計画立案を行う
引用文献
「人間力を高めるセルフ・エンパワーメント」(東京図書出版会)八尾芳樹・角本ナナ子
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1.SP(サブ・パーソナリティー)トランプ
SP(サブ・パーソナリティー)トランプには52人のサブ・パーソナリティー(以下「SP」とする)が描いてあります。人間は十人十色、それぞれ個性がありますが、一人の人間の性格や特徴を個性として簡単に言い表すことは結構難しいものです。なぜなら、たとえばあの人は明るい人だと言われている人も家に帰れば暗く落ち込むこともあるし、温かい人が変にクールになる瞬間があります。あるいは、好きなことには勤勉だけれど嫌いなことは怠けるといったこともよくあることです。1人の人の特徴を一言で決めることはできないのかもしれません。
SPとは人間のもつさまざまな面を1つ1つ採り上げ準人格化して独立させたものですSPトランプでは多くの人に見られる代表的なSPにニックネームをつけて描いてあります。「自己理解」「他者理解」「他者対応」「自己成長」のためのツールとして使用しています。

代表的な使用方法
1)自分にピッタリくるものを10枚選ぶ
(52枚のカードで自分自身のパーソナリティーを表現できない場合はジョーカーに記述)
2)選んだら机の上に配置する
カウンセリングの場面で使用する場合は10枚に限定することなく来談者が選んだだけのSPトランプと配置の仕方について説明、表現してもらう
(グループワークの場合)他者からのフィードバック
1)順番に選んだSPトランプの内容と配置の仕方について発表を行なう
2)他のメンバーは発表者が選んでいないSPトランプ(発表者の残りのカードから)を選ぶ。ジョーカーを選んでもよい。その場合は名前(ニックネーム)をつける
3)発表者はフィードバックされたSPトランプを加え、再度空間配置する
4)フィードバックされたカードが受け入れにくい場合は裏返してもよい
2.ED(エンパワーメント・ダイアログ)かるた
セルフ・エンパワーメントの土台である主体性を高めるための教材として開発したのがSPトランプなら、EDかるたはお互いがエンパワーメントしていくためのダイアログ(対話)のスキルの体得を目的に開発したものです。そして対話に必要なコミュニケーションの基本的なスキル(技法)や心構えを集大成し、かるた仕様にしました。
EDかるたはまずコミュニケーションを「心構え(マインド)」と「スキル(技法)」の2つにわけ、さらにスキルについては1.話すスキル、2.聴くスキル、3.質問スキル、4.対立・葛藤が生じたときの解決スキル、5.大勢の人の前で離すスキルに分類しています。
このEDかるたができたことによって各自のコミュニケーション・スキルの課題を明確にし、個々のニーズにあったスキルアップの考え方と方法を可能にしました。現在、このEDかるたはコミュニケーションやダイアログ(対話)スキルの習得、カウンセリングの支援技法として使用しています。

代表的な使用方法
1)各自、意識して使っている心構えやスキルを3枚選ぶ
(グループワークのときは選んだEDかるたとその理由の発表を行なう)
2)自分のまわりでコミュニケーションが上手と思われる人を思い起こし(複数でも可)。その人が使っている心構えやスキルを3枚選ぶ
(グループワークのときは相互に発表を行なう)
3)自分が身につけたい心構えやスキルを3枚選ぶ
(グループワークのときは相互に発表を行なう)
4)その心構えやスキルをどのような場面で使用するか説明する
(グループワークのときは相互に発表を行なう)
3.ビジョン・ヒントカード
ビジョン・ヒントカードはセルフ・エンパワーメントしていくためのビジョンを明確化していくためのツールです。私たちは将来のことについて断片的に「○○になりたい」「○○を持ちたい」「○○になりたい」「○○をしたい」と考えます。将来のビジョンを明確にするため、将来大切にしたいものを約120のビジョン・ヒントカードの中から20枚選び白紙の紙に配置し、将来の構想を整理していきます。企業や組織によってはその業界の要素を標準のヒントカードに付加してその中から選んでもらっています。
代表的な使用方法
1)ビジョン・ヒントカード(120枚)の中で将来大切にしたいものを取り出す
表現がぴったりこないものは白紙のカードに記述
2)20枚くらいに絞り込む
3)20枚のカードを空間配置する
同じようなカード群には囲みをいれたり、関係を線で表現する
4)用紙に貼り付ける
5)配置されたカードを見ながらビジョンを文章で整理する
6)次に将来のビジョンを実現するための具体的な目標と方策を書き出す
4.問題発見・解決すごろく(双六)
人生は、問題解決の連続だと言っても過言ではありません。トラブルの発生、人からの苦情、ディスコミュニケーション等々。その問題に対し、前向きに対応していくか、受身で処理していくかによって成果に人生は違ったものになります。
また激しく変化する環境下では新しい問題が次から次へと多発しています。その問題を的確に処理すると同時に、常に問題を自らの力で発見、形成し解決していかなければ個人としての成長は望めません。
問題解決にあたっては経験やカンはもちろん必要ですが、これからは問題の多様化、複雑化に対応した本質的アプローチがますます要求されてきます。また問題が複雑になればなるほど本質的問題解決の手法を身につけることも大変重要になってきます
問題発見・解決のステップはもぐら叩きのように後手後手と問題を解決するのではなく、このままいけば将来起こりえる問題を先取りし解決していくものです。未然に問題を防いでいきます。 問題発見・解決すごろくは下記の問題発見・解決のステップをすごろく仕立てにしたものです。
問題発見・解決のステップ
1.潜在的問題-現実把握
2.今後の予測(危機意識)
3.問題の把握
4.問題点の絞込み
5.変革目標の設定
6.真因の追求
7.解決策の決定
8.実行
9.評価
10.フォローの計画立案
代表的な使用方法
1)個人並びに来談者の現在気になる問題(潜在的問題)を問題発見・解決すごろくを使いながら解決策の決定(問題発見・解決のステップ1~7)まで整理する。
2)決定した解決策を実行する
3)実行を評価しフォローの計画立案を行う
引用文献
「人間力を高めるセルフ・エンパワーメント」(東京図書出版会)八尾芳樹・角本ナナ子
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