「30分間エンパワーメント」3つのステップ
「30分間エンパワーメント」は1回約30分を3ステップ行う個人セッションです。今回はこの「30分間エンパワーメント」の生まれた背景や特徴そして進め方について説明します。
図表1 カーク・パトリックの4つのレベル
多くの企業はレベル1.2の評価に終わっているのが現状ですが、中にはレベル3.4を評価基準にしている企業もあります。クライアントの一つであるT社においては製品作り同様、研修においても愚直なまで研修で学んだことの実践を追求しています。
自己成長をテーマとした事後課題に対しても受講生の100%が6ヶ月実践(レベル3)、そして自ら設定した成長課題に対して80%達成(レベル4)し自己効力感を高めるといった実践事例もでてきています。
今回の「30分間エンパワーメント」はこれらの企業研修で実施してきたグループワークならびに事後の個人課題の実践ノウハウを個人セッションに展開しようとするものです。そしてレベル4を自己評価レベルにしています。
自己成長の考え方の一つである自己効力感(self-efficacy)はカナダ人の心理学者アルバート・バンデューラが提唱したもので「外界の事柄に対し自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚」のことです。
自己効力感を生み出す基は4つあるとされています。
①達成体験(最も重要な要因で、自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験)
②代理経験(自分以外の他人が何かを達成したり成功したりすることを観察すること)
③言語的説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)
④生理的情緒的高揚(酒などの薬物やその他の要因について気分が高揚すること)
集団セッションであるグループワークでは他者からのフィードバックによる言語的
説得やT社のような事後課題の達成体験が大きな自己効力感の基となっていますが、「30分間エンパワーメント」の個人セッションでは達成体験を大きな基としています。
2)(財)日本青少年研究所の日本、韓国、中国、米国の高校生の比較調査(2009.3発表)によると日本の高校生は「自分は他人より劣っている」「自分はだめな人間だ」「自分は意思を持って行動できない」といった自分自身や自分の能力に関する質問に対して4カ国の中で一番下回っています。日本の高校生はアルバート・バンデューラのいう「外界の事柄に対し自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚」が弱いということがいえます。筆者が社会人を対象にした研修においても日本人は中国人より低い自己効力感を持っているデータが出ていました。
ここでいう人間的成長とはイタリアの精神科医であるロベルト・アサジオリのいう
psycho synthesis(精神統合)と前述のカナダ人の心理学者アルバート・バンデューラが提唱するself-efficacy(自己効力感)の2つを理論背景としています。
注 精神統合とは実現されるべき目標(新たに作り上げられるべきパーソナリティー)を明確にし、そのために必要な意志を備えたセルフの働きにより調和のとれたパーソナリティーが実現する。
自己効力感とは外界の事柄に対し自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚のことです。
2)「30分間エンパワーメント」は1回約30分(~45分)が3回の短期カウンセリング&コーチングです。
一般にカウンセリングは約1時間のセッションを数回行いますが、「30分エンパワーメント」は1回30分のセッションを3ステップ行います。
3)「30分間エンパワーメント」は個人セッションである。
「30分間エンパワーメント」が生まれた背景でもご説明したように、今日まで企業研修等で多くの方を対象に実施し検証してきたアプローチを個人を対象にしたものです。
4)「30分間エンパワーメント」はツールとしてSP(サブ・パーソナリティー)トランプを使用する。
30分間エンパワーメントを3ステップという短期間に可能にしたのはSPトランプの使用です。SPトランプは日本人の代表的なパーソナリティーを準人格化しトランプ仕立てにしたものです。このSPトランプを使用することによって心の中を可視化(見える化)することによって無意識を意識化し、他者(カウンセラー等)と共有化することができます。
また、自らの心の中にあるSPを後日あらためて見ることによって内面的変化や自己成長(自己効力感)の確認や検証もできます。そしてSPトランプのマークや数字によってパーソナリティーの変化や傾向を数量化することもできます。
5.「30分間エンパワーメント」はエンパワーメントカウンセリング研究の認定カウンセラーであるエンパワーメントカウンセラーが担います。
30分間エンパワーメントはYAO教育コンサルタントが主催するエンパワーメントカウンセリング研究所の所定の講座を受講し継続的にSV(スーパービジョン)を受講しているエンパワーメントカウンセラーが担います。
ただ特定の対象者(子ども、児童やメンバー)に対して行う場合は、幣研究所が主催する講座を終了すれば担当することができます。
1)ステップ1
①カウンセリング&コーチングの目的の明確化(課題の明確化)
②自己理解:SPトランプによる自己理解。自分にピッタリするSPトランプを10枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解する。
SPのマークや数字の傾向から行動特性を知る。
③自己受容:課題にマイナスに働くSPの理解と受容。
2)ステップ2
自己調整:課題にプラスに働くSPを知り、1)①の課題解決の糸口を知る。
3)ステップ3
自己統合:課題にプラスに働くSPの活用と育成を行い、自己効力感を高める。
各ステップのサポート内容とカウンセラーのかかわり
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1.「30分間エンパワーメント」が生まれた背景
1)今日まで企業の集合研修(Off the Job Training)の中でグループワークを数多くの人に行ってきました。研修のタイトルは各社各様ですが主な内容は1.自己理解 2.他者理解 3.他者対応 4.自己成長といったヒューマンスキルでした。研修教材としてSP(サブ・パーソナリティー)トランプを使ったものでも10万人(2007年3月末現在)以上を対象に展開してきました。企業研修の場合、研修評価に対する関心は高く、研修効果を測定する考え方としてはカーク・パトリックのレベル4(4段階)が一般的に使われています。図表1 カーク・パトリックの4つのレベル
多くの企業はレベル1.2の評価に終わっているのが現状ですが、中にはレベル3.4を評価基準にしている企業もあります。クライアントの一つであるT社においては製品作り同様、研修においても愚直なまで研修で学んだことの実践を追求しています。
自己成長をテーマとした事後課題に対しても受講生の100%が6ヶ月実践(レベル3)、そして自ら設定した成長課題に対して80%達成(レベル4)し自己効力感を高めるといった実践事例もでてきています。
今回の「30分間エンパワーメント」はこれらの企業研修で実施してきたグループワークならびに事後の個人課題の実践ノウハウを個人セッションに展開しようとするものです。そしてレベル4を自己評価レベルにしています。
自己成長の考え方の一つである自己効力感(self-efficacy)はカナダ人の心理学者アルバート・バンデューラが提唱したもので「外界の事柄に対し自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚」のことです。
自己効力感を生み出す基は4つあるとされています。
①達成体験(最も重要な要因で、自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験)
②代理経験(自分以外の他人が何かを達成したり成功したりすることを観察すること)
③言語的説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)
④生理的情緒的高揚(酒などの薬物やその他の要因について気分が高揚すること)
集団セッションであるグループワークでは他者からのフィードバックによる言語的
説得やT社のような事後課題の達成体験が大きな自己効力感の基となっていますが、「30分間エンパワーメント」の個人セッションでは達成体験を大きな基としています。
2)(財)日本青少年研究所の日本、韓国、中国、米国の高校生の比較調査(2009.3発表)によると日本の高校生は「自分は他人より劣っている」「自分はだめな人間だ」「自分は意思を持って行動できない」といった自分自身や自分の能力に関する質問に対して4カ国の中で一番下回っています。日本の高校生はアルバート・バンデューラのいう「外界の事柄に対し自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚」が弱いということがいえます。筆者が社会人を対象にした研修においても日本人は中国人より低い自己効力感を持っているデータが出ていました。
2.「30分間エンパワーメント」の5つの特長
1)「30分間エンパワーメント」は自己成長を目的とします。(したがって治療を目的とはしません)ここでいう人間的成長とはイタリアの精神科医であるロベルト・アサジオリのいう
psycho synthesis(精神統合)と前述のカナダ人の心理学者アルバート・バンデューラが提唱するself-efficacy(自己効力感)の2つを理論背景としています。
注 精神統合とは実現されるべき目標(新たに作り上げられるべきパーソナリティー)を明確にし、そのために必要な意志を備えたセルフの働きにより調和のとれたパーソナリティーが実現する。
自己効力感とは外界の事柄に対し自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚のことです。
2)「30分間エンパワーメント」は1回約30分(~45分)が3回の短期カウンセリング&コーチングです。
一般にカウンセリングは約1時間のセッションを数回行いますが、「30分エンパワーメント」は1回30分のセッションを3ステップ行います。
3)「30分間エンパワーメント」は個人セッションである。
「30分間エンパワーメント」が生まれた背景でもご説明したように、今日まで企業研修等で多くの方を対象に実施し検証してきたアプローチを個人を対象にしたものです。
4)「30分間エンパワーメント」はツールとしてSP(サブ・パーソナリティー)トランプを使用する。
30分間エンパワーメントを3ステップという短期間に可能にしたのはSPトランプの使用です。SPトランプは日本人の代表的なパーソナリティーを準人格化しトランプ仕立てにしたものです。このSPトランプを使用することによって心の中を可視化(見える化)することによって無意識を意識化し、他者(カウンセラー等)と共有化することができます。
また、自らの心の中にあるSPを後日あらためて見ることによって内面的変化や自己成長(自己効力感)の確認や検証もできます。そしてSPトランプのマークや数字によってパーソナリティーの変化や傾向を数量化することもできます。
5.「30分間エンパワーメント」はエンパワーメントカウンセリング研究の認定カウンセラーであるエンパワーメントカウンセラーが担います。
30分間エンパワーメントはYAO教育コンサルタントが主催するエンパワーメントカウンセリング研究所の所定の講座を受講し継続的にSV(スーパービジョン)を受講しているエンパワーメントカウンセラーが担います。
ただ特定の対象者(子ども、児童やメンバー)に対して行う場合は、幣研究所が主催する講座を終了すれば担当することができます。
3.「30分間エンパワーメント」の3つのステップ
「30分間エンパワーメント」は下記のように3つのステップで展開されます。1)ステップ1
①カウンセリング&コーチングの目的の明確化(課題の明確化)
②自己理解:SPトランプによる自己理解。自分にピッタリするSPトランプを10枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解する。
SPのマークや数字の傾向から行動特性を知る。
③自己受容:課題にマイナスに働くSPの理解と受容。
2)ステップ2
自己調整:課題にプラスに働くSPを知り、1)①の課題解決の糸口を知る。
3)ステップ3
自己統合:課題にプラスに働くSPの活用と育成を行い、自己効力感を高める。
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