エンパワーメント・カウンセリング&コーチングの実践事例
ケース2 60歳代男性
今回は、60歳代の男性のケースをご紹介します。下記の7つの内ステップ3(他者からみた印象を知る)とステップ7(SPの実践活用)以外のステップを実施しています。
【ステップ1】目標の設定
カウンセリング&コーチングの目的の明確化、主訴・目標の設定
【ステップ2】自分の内面を知る
SPトランプによる自己理解。自分にピッタリするSPトランプを10枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解する。
【ステップ3】他者から見た印象を知る
【ステップ4】行動傾向を知る
SPのマークや数字の傾向から行動特性を知る。
【ステップ5】目標に影響を与えるSPを知る
目標にプラス・マイナスに働くSPの理解と受容。
【ステップ6】活用・育成したいSPを知る
望ましいSPを知る
【ステップ7】SPの活用と育成
目標にプラスに働くSPや望ましいSPの育成計画と活用方法を知る。
上記のカードの説明
根底には心配屋、小心者そして面倒くさがり屋が存在している。
何か新しいことを試みたりするときは先ず小心者や心配屋がでてきて最悪のことを考える。しかしその内に面倒くさがり屋が出てきて、新しいことや仕事の損得を考え実践する。実践が慣れてくるとムダがないようにだんどり屋がでてくる。自分の中のエネルギーの源泉は負けず嫌いである。誰かに勝つというより負けないために頑張る。人からは社交的と写って見えるが自分ではさほど思わない。年齢的なものもあって健康等、将来の不安も大きく根底に存在している。
この段階は今回は割愛
現在は赤い人間志向のカードより黒い課題・仕事志向のカードのほうが数多く出ている。50代は多くの仕事を段取りよく実践してきたのかもしれない。
目標にマイナスに働くSP
ステップ1の目標にステップ2の中にあるSPで特にマイナスに働くものは見当たらない。仕事をしていく上においては「だんどり屋」と「損得君」は不可欠なものであるが、過剰使用すると空虚感や不全感が生じるのかも知れない。心配屋さんは何か仕事などを
行なうときにマイナスに働くというより、将来の健康や低迷する経済状況における仕事の不安など根底にあるように思う。
目標にプラスに働くSP
「情熱家」と「チャレンジャー」といったハートのSPの特徴をみると、
将来のビジョンに対して活用(投企)していくSPである。目先の課題に対してこれらのSPを活用しても現在かかえている空虚感や不全感は解決しないように思う。よって将来のビジョンを再構築しこれらのSPを活用していくことが大切だと思う。
20年くらい先、年齢的には80歳を越えるが、そこに気持ちのよりどころを設定することが大切であるように思う。それは私にとって「80歳現役」かもしれない。このビジョンは私にとって内なるエネルギーが湧き出てくる。
自分の中の準人格である「情熱家」と「チャレンジャー」を80歳でも現役で仕事ができるための目標(条件整備)に向けて活用したいと思う。
1つ目は健康(体力)管理、2つ目は今後、社会が求める仕事や顧客の創造である。
また、今後かかえる不安については逃げることなくひとつ一つ向き合って行くことが大切なのかも知れない。
この段階は現在実践中
1.時間意識の危機、2.自分の役割意識の危機 3、対人関係における危機、4.価値観の危機、5.思いわずらう危機、6.平凡な人生の危機、7.死に直面する危機、8.真面目になりすぎる危機。
このケースの場合、1の60歳という残された時間が少なくなってきたという将来への時間的制約感や2の役割意識の危機、4の価値観の危機、5の思いわずらう危機や6の平凡な人生の危機に直面していたと思われる。
特に60歳という年齢が日本では定年退職、年金の受給、第2、第3の人生と実際の時間であるクロノスよりカイロス時間意識(残された時間が少なくなってきたという感覚)に自らを閉塞状況においやっていたものと考える。また健康に関する不安や将来に対する不安など、無用な不安や思いわずらいが増えてくる。それにより貴重な精神的エネルギーを消耗してしまい、創造的な人生を送れなくなってしまう。
それを20年後の人生にビジョンのリセットをすることによってエンパワーメント(生きるエネルギーが生じた)と考えられます。
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【ステップ1】目標の設定
カウンセリング&コーチングの目的の明確化、主訴・目標の設定
【ステップ2】自分の内面を知る
SPトランプによる自己理解。自分にピッタリするSPトランプを10枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解する。
【ステップ3】他者から見た印象を知る
【ステップ4】行動傾向を知る
SPのマークや数字の傾向から行動特性を知る。
【ステップ5】目標に影響を与えるSPを知る
目標にプラス・マイナスに働くSPの理解と受容。
【ステップ6】活用・育成したいSPを知る
望ましいSPを知る
【ステップ7】SPの活用と育成
目標にプラスに働くSPや望ましいSPの育成計画と活用方法を知る。
60歳代男性
【ステップ1】 カウンセリング&コーチングの目標の設定
10年前に早期退職し、現在の仕事についている。現在の仕事は一人での出張が多い。仕事は顧客の満足も仕事関係者からの評価も高い。しかし50代のときのように自らの目標を達成しても周りから評価をもらっても仕事に対するモチベーションは以前のように高くならなくなっている。ときには仕事をしていても空しくなることもある。趣味活動もそれなりの楽しみもあるが、そのことが人生にそれほどの潤いを与えているとも思えなくなってきた。また自分がイメージしていた60代に人と自分のイメージにギャップがある。世間では定年退職し、孫もいる年代なのでもっと枯れていくのかと思えば、健康であることもあって元気である。しかし現在の仕事にもっとエネルギーを注ぎたいとも余り思わない。60代をどのように生きていけばいいか模索している。何をしたいか何をしなければならないのかを見つけたい。私の知人が60代になると人前で自分の年齢を積極的にいえなくなってきたといっていたが共感できるところもある。自分の60代の生き方が固まれば人様の前でも自分の年齢が公表できるようになれるのではないかとも思っている。【ステップ2】自分の内面を知る
上記のカードの説明
根底には心配屋、小心者そして面倒くさがり屋が存在している。
何か新しいことを試みたりするときは先ず小心者や心配屋がでてきて最悪のことを考える。しかしその内に面倒くさがり屋が出てきて、新しいことや仕事の損得を考え実践する。実践が慣れてくるとムダがないようにだんどり屋がでてくる。自分の中のエネルギーの源泉は負けず嫌いである。誰かに勝つというより負けないために頑張る。人からは社交的と写って見えるが自分ではさほど思わない。年齢的なものもあって健康等、将来の不安も大きく根底に存在している。
【ステップ3】 他者から見た印象を知る
この段階は今回は割愛
【ステップ4】 行動特性を知る SPトランプのマークの傾向から見た行動面の特徴
SPトランプのマークの傾向から自分の行動特性を見ると、スペード・ハートマークが多く行動は能動的傾向にある。自己主張が強く、行動は積極的な傾向にある。基本的欲求は自分で達成したい、決断したい欲求が強い。数字的には比較的高いものが多く自己効力感は高い。しかし行動は一人で行うほうを好む。ダイヤのカードがないので人と一緒に行動することが少ない傾向にある。人生、絶えず攻めの姿勢で新規開拓を数多く行ってきた。ところが攻めることに疲れも出てきたのかしんどくなってきている。また仕事を達成しても満足度が少ない。特にムダのないだんどり屋やガンバリ屋のカードを切ることにためらいを感じることもある。かといってのんびり屋やゆっくりしたいとも思っていない。スローライフはあこがれるがかえって疲れる。本来は「社交家」「情熱家」「チャレンジャー」といったハートのカードが多く基本的な欲求は「賞賛・承認」欲求が強かった。それがスペードのカードのほうが上回っている。現在は赤い人間志向のカードより黒い課題・仕事志向のカードのほうが数多く出ている。50代は多くの仕事を段取りよく実践してきたのかもしれない。
【ステップ5】 目標に影響を与えるSPを知る
目標にマイナスに働くSP
ステップ1の目標にステップ2の中にあるSPで特にマイナスに働くものは見当たらない。仕事をしていく上においては「だんどり屋」と「損得君」は不可欠なものであるが、過剰使用すると空虚感や不全感が生じるのかも知れない。心配屋さんは何か仕事などを
行なうときにマイナスに働くというより、将来の健康や低迷する経済状況における仕事の不安など根底にあるように思う。
目標にプラスに働くSP
「情熱家」と「チャレンジャー」といったハートのSPの特徴をみると、
将来のビジョンに対して活用(投企)していくSPである。目先の課題に対してこれらのSPを活用しても現在かかえている空虚感や不全感は解決しないように思う。よって将来のビジョンを再構築しこれらのSPを活用していくことが大切だと思う。
20年くらい先、年齢的には80歳を越えるが、そこに気持ちのよりどころを設定することが大切であるように思う。それは私にとって「80歳現役」かもしれない。このビジョンは私にとって内なるエネルギーが湧き出てくる。
【ステップ6】 活用・育成したいSPを知る
「80歳現役」に向けて何をしなければならないのか、何がしたいのか自分の中の準人格である「情熱家」と「チャレンジャー」を80歳でも現役で仕事ができるための目標(条件整備)に向けて活用したいと思う。
1つ目は健康(体力)管理、2つ目は今後、社会が求める仕事や顧客の創造である。
また、今後かかえる不安については逃げることなくひとつ一つ向き合って行くことが大切なのかも知れない。
【ステップ7】 SPの活用と育成
この段階は現在実践中
所感
上智大学の名誉教授であるアルフォンス・デーケン氏は中年期(40~64歳)の危機を次のように8つにまとめています。(「よく生き、よく笑い、よき死と出会う」新潮社より引用、一部筆者修正)1.時間意識の危機、2.自分の役割意識の危機 3、対人関係における危機、4.価値観の危機、5.思いわずらう危機、6.平凡な人生の危機、7.死に直面する危機、8.真面目になりすぎる危機。
このケースの場合、1の60歳という残された時間が少なくなってきたという将来への時間的制約感や2の役割意識の危機、4の価値観の危機、5の思いわずらう危機や6の平凡な人生の危機に直面していたと思われる。
特に60歳という年齢が日本では定年退職、年金の受給、第2、第3の人生と実際の時間であるクロノスよりカイロス時間意識(残された時間が少なくなってきたという感覚)に自らを閉塞状況においやっていたものと考える。また健康に関する不安や将来に対する不安など、無用な不安や思いわずらいが増えてくる。それにより貴重な精神的エネルギーを消耗してしまい、創造的な人生を送れなくなってしまう。
それを20年後の人生にビジョンのリセットをすることによってエンパワーメント(生きるエネルギーが生じた)と考えられます。
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