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エンパワーメント・カウンセリング&コーチングの実践事例
ケース3  9歳と6歳

今回は、8歳(姉)と5歳(妹)の女児のケースをご紹介します。
姉に対しては下記の7つの内ステップ1~3と5段階、妹に対してはステップ1.2段階のみ実施しています。

【ステップ1】目標の設定
カウンセリング&コーチングの目的の明確化、主訴・目標の設定

【ステップ2】自分の内面を知る
SPトランプによる自己理解。自分にピッタリするSPトランプを10枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解する。

【ステップ3】他者から見た印象を知る

【ステップ4】行動傾向を知る
SPのマークや数字の傾向から行動特性を知る。

【ステップ5】目標に影響を与えるSPを知る
目標にプラス・マイナスに働くSPの理解と受容。

【ステップ6】活用・育成したいSPを知る
望ましいSPを知る

【ステップ7】SPの活用と育成
目標にプラスに働くSPや望ましいSPの育成計画と活用方法を知る。

今回は長女に対してはステップ1の②、ステップ2を行う。そして自己理解を深めるために母親からの印象のSPトランプもフィードバックも行う。
次女に対してはステップ1の②のみを実施する。

ステップ1 目標の設定

9歳になったばかりの小学校3年生の女児とその妹である6歳になったばかりの幼稚園年長組みの女児に対するカウンセリング&コーチング。母親も同席。 目標は子ども自身自身の自己理解と親の子どもへの理解

ステップ2 自分の内面を知る

【長女 8歳】


上記のカードの説明
私は几帳面です。机の上や学校の準備もきちっとしていたいです。しかし神経質なナーバスなところや、面倒くさがりや屋なところがあります。 また気分屋なところもあり妹たちにはしきりたがり屋です。親にしかられると言い訳さんがでてきます。ゲームをして負けるとくやしい負けず嫌いなところがあります。そしてわがままなところもあります。
ならべ方は私のなかでの大きい順(ウエイトの高い)にしました。

ステップ3 他者から見た印象を知る
母親にとって長女が選んだSPは概ね納得できるものであった。日頃見ていて感じることがSPトランプで確認できた。そして長女が選んだSPトランプ以外に下記の3枚をフィードバックし説明した。


1枚目はTVなどでかわいそうな番組を見ているとよく涙をこぼすので人情家。そし
て2枚目には寂しがりや、3枚目には妹などに対する思いやりカードであった。
その後、長女は私からの3枚のフィードバックカードのうち人情家カードを4番目に入れ、再度大きい順番の(ウエイトの高い順番)並べ替えていた。

ステップ4 行動傾向を知る

今回はこの段階は割愛

ステップ5 目標に影響を与えるSPを知る 

今回はこの段階は割愛

ステップ6 活用・育成したいSPを知る


大人になるためにはがまんが必要だと思います。子供と大人の違いはがまんができるかどうかだと思います。私はいまがまんができません。


【次女 5歳】

ステップ2 自分の内面を知る


上記のカードの説明
のんびりさんは一人でお風呂に入るのが好きなのでこの絵があるカードを選びました。そして幼稚園で友達もいなく一人でいるときさみしいのでこのカードを選びました。姉とけんかしていじめられるといじけてしまいます。なかなかものごとを決められないときがあるのでいじけ屋さんを選びました。

次女に対しては時間の関係上、ステップ3 以降のステップは割愛。そのかわり幼稚園にひとりぼっちになると寂しがりやが出てくることが気になり次女と2人だけでお風呂に入り、今日の幼稚園での出来事について耳を傾けていた。

所感

今回のケースは母親と2人の子どものエンパワーメント・カウンセリング&コーチングで
カウンセリングは(グループカウンセリング)は筆者が行なった。
母親と子どもが一緒に行なったケースなので1~7段階のすべての段階ではなく部分的ステップの展開となった。主な理由は母子共に主だった主訴がなかったことと子どもの集中力が7段階続かなかったためである。このような年齢の子どもを対象にしたエンパワーメント・カウンセリング&コーチングの進め方の特徴として次のようなことがあげられる。

1. ステップ2の自分の内面を知るは、大人の場合自分にピッタリするSPトランプを
10枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解している。
しかし子どもの場合10枚も選ぶことができない場合がある。今回のケースの場合8歳児は8枚,5歳児の場合は4枚しか選んでいない。
また配置の仕方について自分にぴったりくるように配置する旨を伝えると、ぴったりくるという意味を自分の中でのウエイトの大きい順ととらえて並べていた。

2.ステップ4の行動傾向を知るは、SPのマークや数字の傾向から行動特性を理解するステップであるが子どもの場合行動がまだ傾向化(固定化)していないのでこの段階は省いている。

3.ステップ6の活用・育成したいSPを知る、ステップ7のSPの活用と育成は子どもが成長していくためには必要な段階と考える。

例えば自分の中の「がまんさん」や「思いやりさん」をどのような場面で発揮するかの計画を立て実践する。そして保護者や教師に実践内容を発表する。ステップ6.7は子どもにとって自らの行動を強化していくためにはのぞましいステップである。


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